2018年1月20日土曜日

犬の歯磨きって歯磨きガムとか、歯磨きシートで拭くだけじゃダメなの?

結論からいうとダメです。全然ダメです。

犬の歯磨きガムや歯磨き用のシート(クロス)、たくさん売られています。
ガムを噛むだけでいいならこのブログ読んでませんよね。
そして歯磨きシートも、ほぼ意味がありません。
語弊がありそうなので言い直しますと、歯周病予防としては意味がありません
もちろん、口内の細菌の絶対数を減らす、ということにはなるでしょう。
でも、歯周病菌は主に違うところに隠れているのです。


歯周病菌は嫌気性といって、空気が嫌いな性質を持っています。

ですから歯周病菌は、歯と歯肉の間、歯周ポケットに潜んでいます。
こちらはとても狭いので、空気が入ってこないのです。
歯周病ポケット内の歯周病菌は活発に活動します。
なにしろ大嫌いな空気がないですから、元気いっぱいです。
何をするかといえば、安住の地を広げようと、歯周ポケットを深く深くしていくのです。


なんてやつらだ。


歯ブラシを使ったブラッシングは、歯周ポケットの汚れをかき出すよりもむしろ、歯周病菌が嫌いな空気を入れてやる作業なのです。
敵は空気を送り込むだけで倒せるんです。
簡単なんですよ。
だから歯ブラシでブラッシングすることが重要なのです。


ちなみに嫌気性の反対は好気性。
身近な好気性菌といえば、納豆菌です。
納豆菌は酸素がないと生きられない菌なのです。
納豆菌は強いイメージがありますが、それは空気中での話。
私たちに食べられて、大腸まで到達すると酸素がなくなります。
すると他の善玉菌に食べられ、善玉菌の栄養になるのです。
ありがとう、納豆菌。

でも歯ブラシは血が出るの………という方へ。

血が出るのは、磨いてないからです。
磨いてないから炎症が起きて血が出るのです。
炎症が起きると赤くなりますよね。
これは、歯肉に張り巡らされている毛細血管が、歯周病菌と戦うためにたくさん血液を送っているからなのです。
通常より多くの血液が最前線まで流れてくるわけですから、外から刺激してやれば簡単に出血します。
この出血が問題なのではないですよね。
血流が通常に戻れば、出血はすぐにしなくなります。
そのためには炎症を鎮めること。
方法は歯周ポケット内の歯周病菌をやっつけるしかありません。

犬の身体は血液を送ることで歯周病菌と戦っています。
そのときあなたは?
ブラッシングで加勢しないのですか?
血が出るから触らない方がいいだろう、というのは、犬の身体が頑張っているのに飼い主の貴方だけが怖じ気づいて逃げるということです。
血が出ても、優しく優しく磨いてください。
磨き続けることで、血が出なくなります。
そのときが来れば勝利です。


もちろんそれで終わりではなく、戦いは続きます。
敵に攻め込まれないよう、自国を守りつづけるのです。
できることは、汚れを落とすことと、空気を送ること。
さあ、ブラッシングで敵に空気を送りましょう。


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